Surface Acoustic Waves(弾性表面波)
ビュルケルトのお客様は、実績のある革新的な 8098 FLOWave フローメータで、液体のインライン流量測定に SAW テクノロジーを導入しています。この用語集の記事では、SAW テクノロジーの基礎知識と測定原理およびメリットに加えて、当テクノロジーが長年にわたって成功裏に利用されてきた事例について詳しく学びます。

基礎知識
SAW は弾性表面波(Surface Acoustic Waves)という意味です。これは表面に沿って伝播する波です。伝播のタイプは、地震活動中の波の伝播に似ています。
SAW 技術では、小型化された形でこのような表面波を人工的に生成します。FLOWave 流量計では、この表面波がセンサ測定菅に沿って伝播するため、これらの音響表面波を液体の流量測定に使用できることになります。ビュルケルトは、流量測定に SAW を使用する特許を取得しています。
SAW の測定原理について
表面波は、インターデジタルトランスデューサー(略して IDT)によって生成されます。これは FLOWave 測定管の特定の場所に配置されています。1 MHz 範囲の周波数で発せられる電気パルスが IDT を励起し、SAW を発生させます。
この励起部分から始まり、波面は菅の表面に沿って媒体中を伝播します。また、波面は測定管内でも「反射」するため、管内の媒体を数回通過します。
動画によるプロセスの詳細説明
測定値の決定
流れる液体の順方向と逆方向における測定値の伝搬時間の差は、流量速度に比例します。流量は、この測定値に基づいて計算することが可能です。温度測定は内蔵のデジタル温度センサにより行われます。
このようにして示された温度・密度・流量速度・流量のパラメータに基づいて、質量流量も決定することができます。
プロセス値から導き出される他の特別機能(微分係数、音響透過係数、特定の混合物の濃度)は、気泡や固体粒子の検出、媒体変化の検出など、それぞれの液体に関する追加情報を提供します。
利点
液体の工業的な流量測定に SAW 技術を利用すると、多くの利点が得られます。
配管は 1 本のみ(316L / 1.4435 ステンレス鋼)
- 媒体に接触する部品がない
- 非接触で衛生的な測定
- 可動部なし — 摩耗が発生しない
- 管内がまっすぐなので、圧力降下がない
マルチパラメータ計測
- 1台のデバイスで複数のパラメータを測定
- 装置およびアセット管理の手間を軽減
- シームレスなモニタリング
- 気泡、固体部品、媒体変化を検出する特殊機能
堅牢で産業用途に最適
- 1 MHz帯の高い励振周波数により、システムの振動による障害を排除
- 磁気や電気の影響による測定への影響なし
- 媒体の導電率に依存しないため、導電率がない場合や低い場合でも測定可能
コンパクトで軽量
- 省スペースなため、機械やシステムの小型化が可能
- 設置および試運転が簡単
- ブラケットの追加や補強は必要ありません
- メンテナンスの手間が最小限(規定のメンテナンス間隔など)
応用例
SAW テクノロジーは、製薬、バイオテクノロジー、食品、飲料分野など、特に衛生管理が重要な環境で利用されています。FLOWave による革新的な流量測定は、たとえば医薬品の品質保証、媒体変化の検出、WFI 回路における流量測定、食用油の計量などの分野において、長年にわたり多くのお客様から信頼を得てきました。
製薬業界および食品業界の革新的なリーディングカンパニーによる FLOWave プロジェクトの成功事例および詳細情報は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。