EtherNet/IP:産業用ネットワーク通信のための標準プロトコル
EtherNet/IPは、一般的なEthernetベースのフィールドバスであり、産業用オートメーションに標準Ethernet技術を実装できます。EtherNet/IPとは、具体的にどのようなものでしょうか?どのように機能するのでしょうか?そして、EtherNet/IPのメリットとはどのようなものでしょうか?

EtherNet/IPには次のようなメリットがあります。
- ネットワーク内の制御・構成・データ収集が同時に可能
- Ethernetプロトコルとの互換性
- 高速な伝送速度
EtherNet/IPの基礎知識
標準化された互換性の高いネットワーク
EtherNet/IP(Ethernet Industrial Protocol)はCIP(Common Industrial Protocol)に基づくオープンフィールドバス規格で、Rockwell AutomationとODVA(Open DeviceNet Vendor Association)によって開発されました。これは主にオートメーション技術に導入されています。また、このプロトコルを使用したデバイスの適合性と互換性は、いずれもODVAによって認定されています。
なぜ、EtherNet/IPがシステムの自動化に最適なのでしょうか?
EtherNet/IPは、オートメーション化されたアプリケーションのための産業用イーサネット通信プロトコルです。これは、CIPアプリケーションとTCP/IP通信モデルの実装において、その他のEthernetベースの通信規格とは別のものです。
EtherNet/IPは、Ethernet・インターネットプロトコル・TCPまたはUDPプロトコル(User Datagram Protocol)をサポートしています。これにより、このプロトコルを使用するすべてのデバイスとの互換性を実現します。確立されたプロトコルとの互換性によって、ネットワーク内のEtherNet/IPの完全な統合が可能となり、オフィスネットワークと制御システム間の一貫性を実現します。EtherNet/IP技術を導入すると、デバイスの制御および構成だけでなく、同時にデータを収集することが可能です。
プロトコルの構造
EtherNet/IPは、UDPに接続することでリアルタイム対応にすることができます。これにより、データの高速転送が可能となります。CIP(Common Industrial Protocol)ネットワークは、OSI(Open Systems Interconnection)モデルに準拠しています。OSIモデルは、ネットワークプロトコルを実装するためのフレームワーク条件を定義しており、それぞれタスクが狭く設定された7つのレイヤーで構成されています。この7つのレイヤーは以下のように分かれています。
- ビット伝送(Physical)
- バックアップ(Data Link)
- スイッチング/パケット(Network)
- トランスポート(Transport)
- セッション(Session)
- データ表現(Presentation)
- データ利用(Application)
EtherNet/IPは、ビット伝送・スイッチング・ネットワーク・トランスポートの機能を利用することで、EthernetのOSI参照モデルの下位層を採用しています。
EtherNet/IPのデータ伝送およびトポロジー
EtherNet/IPは、個々のネットワークパティシパント間のデータ交換のために、プロバイダとコンシューマの原則をサポートしています。この方法により、帯域幅全体を効率的に使用することが可能です。デバイスのMACアドレスを使用することで、送信されたデータオブジェクトの送信元と送信先を判別できます。個々のネットワークパティシパントは、指定されたMACアドレスを使用して、送信されたデータパケットの内容が自分に関連しているかどうかを判別します。
IEEE Ethernet規格に準拠しているため、EtherNet/IPはユーザーに幅広い伝送速度を提供します。(10、100 Mbps、1 Gbpsなど)さらに、銅線・ファイバー・ファイバーリングといった市販のEthernet設置オプションだけでなく、ワイヤレスにも対応する柔軟なネットワークアーキテクチャをユーザーに提供します。
EtherNet/IPは、従来のスター型および標準のEthernetインフラストラクチャコンポーネントや、デバイスレベルのリングトポロジーなど、さまざまなトポロジーを提供しています。リングトポロジーの場合は、「DLR」(Device Level Ring)プロトコルを実装することで、ケーブル破断やフィールドバスパティシパントの故障などによるネットワーク全体の不具合を防ぐことができます。DLR機能により、このような形でネットワーク内の通信を維持することが可能です。

タイプ8792 - デジタル電動空圧式ポジショナー:ポジショナー SideControl。タイプ8792について詳しく見る。
タイプ8692 - プロセスコントロールバルブへの一体型取付け のためのデジタル電気空圧式位置コントローラ タイプ8692について詳しく見る。
タイプ8098 - FLOWave SAWフローメータFLOWave・タイプ8098について詳しく見る。
Ethernet/IP技術を導入すると、デバイスの制御および構成だけでなく、同時にデータを収集することが可能です。
ビュルケルトの強み
私たちは産業界の信頼できるパートナーとして、長年にわたり高品質の技術ソリューションを提供しています。システムの自動化における最高のサポートを提供するために、当社の製品およびシステムの多くは、EtherNet/IPプロトコルとの互換性を持ち、ODVAの認定を受けています。
現代のオートメーションの概念に不可欠な構成要素はデジタル通信であり、とりわけ標準プロトコルの使用です。私たちは長年にわたり、それを考慮して開発を行っています。そのため、当社の製品やシステムは、迅速かつ容易にお客様のシステムに組み込むことが可能です。
EtherNet/IPを使用したアプリケーション例
EtherNet/IPを備えたビュルケルト製品は、主にプロセスオートメーションにおける媒質(気体、液体)の制御と調整のために使用されていますが、その他の分野でも使用されることが増えてきています。
- 燃料ガスの供給
- 食品製造、飲料、乳製品の加工設備
- 水処理/廃水処理の自動化および制御
EtherNet/IPを備えた当社の位置コントローラ
ELEMENT電空ポジショナ
- 初期調整(ゼロスパン調)はワンタッチ&高いメンテナンス性により現場の負担を軽減
- ポジショナ内部は常にクリーンな計装エアが循環し外環境からの湿気や塵をシャットオフ
- Type2300アングルシート、Type2301グローブ、Type2103ダイヤフラムの各種コントロールバルブに搭載可能
- ATEX、IECEx防爆に加え、日本の防爆も取得済み(安全防爆構造)
ELEMENT電空プロセスコントローラ
- 初期調整(ゼロスパン調)はワンタッチ&高いメンテナンス性により現場の負担を軽減
- ポジショナ内部は常にクリーンな計装エアが循環し外環境からの湿気や塵をシャットオフ
- Type2300アングルシート、Type2301グローブ、Type2103ダイヤフラムの各種コントロールバルブに搭載可能
- P'Q lin機能により、アングルシート、グローブに加えダイヤフラムバルブでもスムーズな流量制御を実現
- ATEX、IECEx防爆に加え、日本の防爆も取得済み(安全防爆構造)
デジタル型電子空圧式位置コントローラ:位置コントローラSideControl
- コンパクトで頑丈な設計
- 調整機能により運転が容易
- バルブを監視するための内蔵診断機能(オプション)
- 補正状態で空気消費のない動的位置決めシステム
- プロフィバスDPV1またはDeviceNet(オプション)
デジタル方式電子空圧式プロセスコントローラーSideControl
- コンパクトで頑丈な設計
- 位置コントローラおよびプロセスコントローラの調整機能による運転
- バルブを監視するための内蔵診断機能(オプション)
- 補正状態で空気消費のない動的位置決めシステム
- プロフィバスDPV1またはDeviceNet(オプション)