流体計算機
流体計算機をご利用になれば流量係数、流量、圧力低下の信頼ある計算が容易にできます。

バルブの型式や寸法を正しく選択すればいくつもの計算パラメーターの良好な結果を出せます。すなわち流量係数、流量、圧力低下特性値を基に必要な要件や用途に合うバルブを特定することができます。弊社の無償流体計算機をご利用になりオンラインで容易にこれらの値を計算することができます。
流量係数
流量係数Kvから何がわかりますか?
流量係数とは1950年代以来存在している、流体がバルブを通り達成可能な流量を測るための規格として規定された特性値のことです。流量係数は規格DIN EN 60 534に準拠して計算し、ここで値を指令VDE/VDI 2173に従って圧力低下約1 bar、温度範囲5~30 °Cで水量測定し定義されます。その測定結果は単位m3/hで表します。
さらに、このバルブ特性値はバルブの特定のストロークに関して、つまり特定の開度についてのみ適用されます。従ってバルブに設定段階があるだけの個数の流量係数が得られます。このため開閉バルブは流量係数が一つのみですが、制御バルブはどの位置についても流量係数があります。最大ストローク100%に対する特性値のことをKvs値といいます。
CvとKvの値の相違
しばしば併記されているCv値とはUSG/min(1分当たりの米ガロン)で表した米国の計量単位であり、このため流量係数とは同義です。この際の変換式は次によります:
Kv = 0.857 * Cv
Cv = 1.165 * Kv
物質の多様な状態別の流量係数計算式
液体のKv計算
液体の流量係数を計算するには、流量をl/minまたはm3/h、バルブ直前の媒体密度、バルブ通過後の圧力低下が既知の値であること、すなわち、入力圧と背圧の差が既知であることが必要です。
Q = 容量流量 m3/h
Δp = 圧力低下 bar
ρ = 液体密度 kg/m3
気体のKv計算
気体を計算する際は流量の臨海点より下と上を区別します。臨界点より下であるとは、すなわち、バルブの入力圧と背圧がスループットを決定するということを意味します。背圧すなわちバルブ通過後の圧力(p2)が高いほど、容量流量が小さくなります。
臨界点より上であるとは、スループットが入力圧によってのみ決まることで、この際流量に対して「チョーキング」効果が生じます。この場合はバルブ断面積が最も小さくなる個所で圧力偏差が大きい(Δp > p1/2)とき、理論上は音速に到達します。この場合圧力低下により加速した媒体は背圧がさらに下がっても音速(マッハ1)より速くは流れません。気体の場合規格値計算は1,013 hPa、0 °Cのときで、QNが規定流量 ρNが規定密度として行います。この際は温度の影響も考慮する必要があります。
臨界点より低い流量での計算(音速未満)
臨界点より高い流量での計算(@音速)
p1 = 入力圧 bar
p2 = 背圧 bar
Δp = 圧力低下bar
QN = 容量流量、規格値、 m3/h
ρN = 密度、規格値、kg/m3
T = バルブ直前の絶対温度(K)
バルブの流量係数計算用測定構成
下図は圧力低下が所与での流量係数を求めるための測定構成を示します。ここに1はサンプル、つまり検査対象のバルブで、2が流量センサーです。テスト構成にはさらに入力圧(3)と背圧(4)の測定用測定点と流量制御バルブ(5)が含まれます。さらに特長としては気体の媒体を測定するときのための温度計(6)が接続されています。
1 サンプル
2 流量計
3 マノメーター:バルブ直前の圧力(入力圧)
4 マノメーター:バルブ直後の圧力(背圧)
5 流量制御バルブ
6 温度計
流量
流量Qは何を表しますか?
流体技術で使うもう一つのパラメーターは流量または容量流量とか体積流量とも呼びます。このパラメーターはどれだけの体積の流体が一定時間にバルブを流れるかを表します。
液体の流量を計算するには、流量係数、媒体の密度、入力圧と背圧の圧力偏差が既知であることが必要です。ビュルカートが指定している媒体には酸素や一酸化炭素あるいはエタンが挙げられます。密度はすでに保存されており、圧力偏差は自動計算されるので、流量係数と入力圧及び背圧の欄のみ入力する必要があります。
物質の多様な状態別の体積流量計算式
液体の流量計算
流量は次の算式で計算してください:
Q = 流量
Kv = 流量係数 m3/h
Δp = 圧力低下bar
ρ = 密度 kg/m3
気体の流量計算
ここでも気体の規格化流量は流量係数も必要なうえ、規格密度、入力圧、背圧、媒体温度が必要です。また、この場合も臨界点の上下別流量を区別します。
臨界点より低い流量での計算
臨界点より高い流量での計算
p1 = 入力圧 bar
p2 = 背圧 bar
Δp = 圧力低下 bar
Kv = 流量係数 m3/h
ρN = 密度kg/m3
T = 温度(K)
バルブ通過に伴う圧力低下
バルブ通過に伴う圧力低下の計算方法
圧力低下はバルブ直前の媒体入力圧とバルブ通過後の背圧の差に該当します。この測定値はバルブを液体が通過することにより損失するエネルギーを意味し、bar単位で表します。 液体の圧力低下計算には流量係数、液体の密度、流量が必要です。以下に計算の根拠となる算式を示します。.
物質の多様な状態別の圧力低下計算式
液体の圧力低下計算
ρ = 密度 kg/m3
Q = 容量流量 m3/h
Kv = 流量係数 m3/h
気体の圧力低下計算
媒体が気体の計算では臨界点より上か下の流量を区別し、次の値が既知であることが要件です:流量係数、1,013 hPa、0 °Cでの規格流量、さらに規格密度、背圧、媒体温度。
臨界点より低い流量での計算
臨界点より高い流量での計算
p1 = 入力圧 bar
p2 背圧 bar
ρN = 密度 kg/m3
T = 温度 K
QN = 容量流量、規格値、 m3/h
Kv = 流量係数 m3/h
密度も合わせて保存されている臭素やネオンなどの多くの既存媒体の中から選ぶか追加の媒体を設定してください。このとき液体の密度とその状態を指定するだけです。必要な値を求めるために必要なデータを入力するに伴い、流体計算機がバックグラウンドですでに計算しており、計算結果のほかにも中間結果を右上の欄に自動的に表示してきます。
今すぐ計算してください!
極めて流量を僅かにまたは粘度が高い水蒸気や特殊なフロー条件など別の材料を計算する必要がありますか?または要求事項に最適なプロセスバルブをお探しですか?次にプロセスバルブ専用の選定に使えるバルブ仕様特定ツールをご利用になれます。 今すぐバルブ仕様を特定してください!