WFIは医療製品の製造における重要なコスト要因であり、経済的および環境的な理由から慎重に使用する必要があります。不正確な測定方法は非生産的です。現在行われている処理において、解決しなければならない課題はたくさんあります。
従来のソリューションとその弱点
システムからのWFI採水量が多すぎると、不要な追加コストが発生します。ダイヤフラムバルブは、製薬業界の高い法的衛生基準を満たしているため、WFIの採水の制御に使用できますが、比較的精度が低いのが難点です。これを補うために、この処理向けの高価で重い可変速駆動装置が特別に設計されていることがよくあります。
目標
制御動作(実数)
WFIシステムの継続的なモニタリングは、最小限の人的コストで製造プロセスを保護し、設備の可用性を保証することを目的としています。また同時に、明確なトレーサビリティのために測定パラメータの完全な記録を必要とする製薬業界における数多くの規則や規制にも対応しています。
採水箇所におけるWFIの流量を制御するために、従来はコリオリ流量計がよく使われていましたが、これには高い導入コストおよび運用コストがかかります。配管を減らすため、ポンプのコストが高くなります。また、サイズと重量により、設置に手間がかかります。
有害なバイオフィルムがパイプラインに堆積しないように、WFIサイクルの速度と温度は常にガイドラインに準拠している必要があります。バイオフィルムは精製水を汚染し、製品を汚染します。そのため、マスフローメータや温度センサーで処理を監視します。従来のアプリケーションでは、超音波クランプオンセンサーが多く使用されていますが、これには複雑な較正が必要で、故障が多く、比較的精度が低いという問題がありました。
温度
速度
注射用水の処理と貯蔵は、運用コストに大きな影響を与えます。そのため、毎日のWFI消費量は可能な限り正確に決定されます。万が一、1日のWFI消費量が異常に多い場合は、特定の処理段階で発生する可能性のあるエラーについて原因を調べることが可能です。多くの場合、測定は超音波クランプオンセンサーを使用して行われますが、これはエラーが発生しやすいため、1日の正確な量を測定することは困難です。
マスフローメータ、温度センサー、制御バルブ 、その他のコンポーネントは、装置や機械の手の届きにくい場所に設置されることがよくあります。それに加えて、デバイスは大きく重いのが普通です。このようなファクターは、設置およびその後の製造におけるメンテナンスの両方を複雑にしています。
カスタマイズされたシステムによるWFIサイクルの正確な調整および制御
WFIシステムの水質と可用性を24時間体制でモニタリング、調整、記録するには、信頼性が高く効率的なソリューションが不可欠です。これによって、トラブルが発生した場合に迅速に対応し、処理の失敗や不良バッチを回避することができます。
水処理:水質のモニタリング:Type 8905でオンラインかつ連続的に
ローカル制御回路におけるBürkertソリューションの利点
ビュルケルトの制御ソリューションは、お客様それぞれの要件を正確に満たします。製造プロセス用の超純水を採水するためのローカル制御回路は、個別に設計されたコンポーネントとの組み合わせにより、きわめて正確な水の配分を保証します。応答時間が速いため、望ましくないプロセス偏差が発生した場合にはバルブを直ちに切り替えることが可能です。これにより過剰な配分を防ぐことができ、システム効率が向上します。
プロセスコントロール
バルブの位置制御
規定値
高精度な制御が求められる用途で、圧縮空気が使えない、または使いたくない場合には、電動モーター駆動のバルブが最適なソリューションとなります。分解能が高いため、空圧式のバルブよりもさらに精密な制御が可能です。バルブをほぼ無段階に操作できるため、WFIの流入量を非常に細かく制御することができ、制御バルブを操作した際の「オーバーシュート」を防ぐことができます。
従来のバルブ 空圧式ダイヤフラム制御バルブ Type 2104 電動式ダイヤフラム制御バルブ Type 3363
目標
制御動作(実数)
「オーバーシュート」のない最適な制御
圧縮空気を生成するには電気が必要であり、これにはコストがかかります。従来のバルブ技術では、プロセスバルブを介して蒸気の供給量を調整し、正確なWFI制御を行うために、常に圧縮空気を供給する必要がありました。ビュルケルトでは電磁バルブ技術を採用しており、圧縮空気を必要とするのはバルブ位置を変更するときにのみです。これにより、エネルギー消費量を大幅に削減し、ランニングコストを低減させることができます。
圧縮空気の消費量(ノズルフラッパー式)
圧縮空気の消費量(電磁バルブ式)
動き
医薬品の製造では、WFIサイクルの正確な制御と、それに対応するパラメータを記録することが厳密に規定されています。しかし、WFIシステムからの採水プロセスは、制御バルブが適切に設計されていなければ正確に制御できません。ビュルケルトでは、正確に設計されたバルブのストローク範囲を適切に利用し、十分なフローリザーブが確保されるようにサポートいたします。
小さすぎるバルブ設計 適切なバルブ設計 大きすぎるバルブ設計
Kv値(Kv)
流量(q)
ストローク範囲
フローリザーブ
衛生的かつ高精度な流量計測を行うために、ビュルケルト社のエンジニアはFLOWaveを開発しました。革新的なSAW技術により、媒体の導電性に関わらず、測定管内にセンサー素子がなくても流量と温度を測定することが可能です。配管内測定という新しい方法は、特に精度が高く、WFIシステムへの組み込みが容易です。また、汚染のリスクを最小限に抑えることができます。デッドスペースがないところに汚染はありません。
カスタマイズされた制御回路のための的確なアドバイス
私たちはお客様の負担を軽減し、理想的な解決策を一緒に見つけたいと考えております。そのためビュルケルトは、制御回路の個別設計から、処理に必要なバルブと駆動技術の選択および寸法の決定、そして適切な自動化ソリューションに至るまでお客様をサポートいたします。このようにして、処理の高速化に加え、システムの効率を向上させ、計画・試運転・運用コストの削減を実現できます。必要なコンポーネント(バルブ、駆動技術、配管)はすべて、お客様とのコミュニ―ケーションの上で選定し、必要に応じて事前に組み立てを行います。
当社のバルブ設計ツールでは、お客様のWFIシステムに適したバルブソリューションをご確認いただけます。
自動化を含む理想的な制御回路設計については、当社の専門家にご相談ください。
電磁バルブ技術によるエネルギー消費量の低減
圧縮空気を発生させるためには電気が必要ですが、これは大きなのコスト要因となります。従来のバルブ技術では、連続的に圧縮空気を供給する必要がありますが、ビュルケルトの電磁バルブ技術では、バルブ位置を変更する必要があるときにのみ圧縮空気を使用します。これにより、エネルギー消費を大幅に削減することが可能です。
最新のバルブ技術で運用コストを削減従来のバルブにおける圧縮空気の長期的な消費量は、バルブの数が多いほど、また年数が経つほど増えていきます。
ここでの計算例では、従来のソリューションにおいて制御動作を行わない場合、1時間あたり100リットルの圧縮空気が必要となります。電磁バルブの技術を使えば、これらを節約できます。これを稼働率100%、台数30台の10年間で計算すると、この例では圧縮空気の消費量を減らすことで28,000ユーロ以上の節約になります。
ビュルケルト社のソリューションである制御動作のための低減された圧縮空気消費のコストは、ここでは考慮されていません。
従来のソリューション Bürkertソリューション
1時間あたり100リットル:制御動作なしでの圧縮空気の消費量
1時間あたり0.0リットル:制御動作なしでの圧縮空気の消費量
耐性チャート
Bürkert resistAppは、耐性のある素材の検索をサポートし、エラストマー、プラスチック、金属の多くのガス状および液状媒体に対する化学的耐性に関する情報をまとめています。